見た目年齢を左右する“毛細血管”を強く育て増やす方法

スキンケアの基礎知識

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コスメを楽しむのも、その土台となる肌を美しく保つのも、毛細血管の働きがとても大切。

大切な栄養や酸素を、肌や髪、そして爪へと、体の隅々の組織に届け、病原菌などの外敵からも守る “毛細血管” は、アンチエイジングの重要なカギになります。

「コスメブログなのにコスメの話じゃない!」というのが何ともアレで申し訳ないのですが、少し原点に立ち戻り、コスメとの相乗効果を図るためにも根本的なところから美を追求したいと思います。

毛細血管と、肌や髪の深い関係

肌の構造

毛細血管の状態は、体の一番外側にある肌にも大きく影響を与えます。

毛細血管は、真皮の線維芽細胞に栄養を届け、ターンオーバーを助けています。ということは、肌の潤い・美白・ハリ・化粧ノリなどに大きく関係してきます。
コラーゲンを作る線維芽細胞に栄養が届かなくると、コラーゲン不足になりシワやたるみの原因に。

また、頭皮の毛細血管の働きが衰えると毛母細胞に栄養素が行き届かないため、白髪・抜け毛・髪のパサつきなどの原因にも。

DIGRESSION

毛細血管の力を初めて実感したのは、唇が酷く荒れたとき。

薬用リップを塗っても遅々たる変化しか感じなかったのに、スースーするタイプのリップ をつけたらあっという間に改善されたという経験があるのです。後者のリップは薬用でもなんでもないのですが、塗ると、ヒリヒリ、スースー、明らかに血行がよくなります。

わたしは専門家でも医師でもないので断言はできませんが、自分の感覚として毛細血管の血行と関係があるのでは?と感じたため、このときから毛細血管の働きを高める “炭酸コスメ” への関心も非常に高まりました。現在は定期的に、炭酸美顔器 を使用しています。

毛細血管とは

毛細血管は直径約100分の1。非常に細い血管です。

毛細血管は体中に張り巡らされ、人体の60兆個以上の細胞はすべて、毛細血管から0.03mm以内に存在して血液から栄養や酸素が届けられるのを待っています。

また、毛細血管は栄養や酸素を届けるだけでなく、白血球などの免疫細胞を届け、ウイルスや細菌と闘ったり、ホルモンを運んだり、体温調整も行っています。

同時に、不要な二酸化炭素や老廃物の回収も。

本当に大切な役割を担っていることがよく分かりますよね。栄養や酸素を届けながら、不要なものは回収しているわけですから、体の隅々まで毛細血管に頑張って欲しいと思うのが女心です。それでは、なぜ毛細血管は衰えるのか、そして増やすことはできるのか、確認していきましょう。

DIGRESSION

わたしは自分の白血球が細菌と闘った末、自滅した姿を見たことがあります。当時通っていた歯科病院では全員、治療に入る前に自分の歯の細菌を顕微鏡で見せられ、歯を大切にすることを徹底させられていました。

そこで偶然、白血球が戦う姿を目撃したのですが、歯科衛生士の方は「その瞬間を生で見たのは初めてだ」と仰っていました。そんなに簡単にライブで見ることができるものではないのかもしれません。

偶然にもその姿を見たとき「こうやって、いつもわたしの体を守ってくれているのか」と、とても感動したのを覚えています。

そして、白血球に任せていないで、血液の働きを助けるために自分でできることは努力し、体を大事にしなくてはと反省しました。

毛細血管が老化する原因

血管

毛細血管が老けると、肌や髪も老けてしまいます。見た目年齢と、毛細血管は深い関りがあるのです。

毛細血管が老いると、血管の管から栄養素や老廃物が漏れやすくなったり、管はあっても血液が流れていない状態になることがあります。
こうして使われなくなった血管は次第になくなってしまうから怖い。

毛細血管は加齢によって老化しますが、それ以上に、生活習慣が影響しています。

不規則な生活、睡眠不足、深夜遅くまでのスマホ、食生活の乱れ。
このような生活によって自律神経やホルモンバランスが乱れると、毛細血管に疲れが蓄積してしまい、修復が追い付かなくなります。

毛細血管の老化チェック

CHECK

チェックが多いほど、毛細血管が更けている!

□ 最近、毛が抜けやすい、白髪が増えた。
□ シミ、シワ、たるみが気になる。
□ 頭痛、肩こり、首こりがツライ。
□ 寝つきが悪い、夜中に目が覚める。
□ 体がだるい、疲れやすい。
□ 爪が白っぽく、割れやすい。
□ やる気が出ない、落ち込みやすい。
□ 冷え性に悩んでいる。
□ 胃や腸の調子が悪い。

出典:VOGUE JAPAN 2017年7月号

毛細血管が弱くなると、まず毛細血管が発達している粘膜が弱くなり、乾きやすくなるそうです。具体的には、ドライアイ、目の充血、鼻血、口内炎、歯肉炎、胃炎、下痢、膀胱炎、膣炎などに影響を及ぼします。

静かに、自分の体の調子を伺ってみるのもいいかもしれません。

毛細血管の増やしかた

血管

絶えず大切な働きをしてくれている毛細血管ですが、ここで朗報が!
なんと嬉しいことに、毛細血管は年齢に関係なく増やすことができるのです。

生活を1週間変えるだけで血流を改善でき、1か月後に肌や髪に変化が表れる。枝分かれして新しい血管が増える血管新生も報告されています。

とのこと。どんな年代であっても生活改善で増やせるなら、しっかり手助けしたくなりますよね。

ポイントは、血流を良くして毛細血管までしっかり血液を流すこと。そのためにリラックスモードの副交感神経を優位にすることです。

具体的には、

質と量の充実した睡眠。
ストレスを溜めない。
適度な運動。
ぬるめのお湯で入浴。
血糖値を急上昇させる過剰な糖質摂取をしない。
紫外線対策。
禁煙。
お酒を控える。

など、適度に体を動かし、ストレスを溜めず、力を抜いてリラックスすることを心がるといいようです。しかし1つ1つの項目は簡単なようで生活改善を継続するのは難しいこと。それでも、肌や髪だけでなく、健康のためにも取り入れられるところから気を付けてみてはいかがでしょうか。

まずは、少し疲れを感じたら無理をせず、体が悲鳴を上げる前に休むようにするとよいかもしれませんね。

毛細血管を強く育てる自律神経とホルモン

毛細血管を増やすために挙げられている項目を深く理解するためには、自律神経と2つのホルモンを知っておくとよいかもしれません。

1.自立神経

自分で意識できない血管や内臓を調整する自立神経。

自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、交感神経が優位のときは血管が収縮し、副交感神経が優位になると血管が広がるため毛細血管まで血液が流れます。

規則正しい生活をしていれば、夜になると自然に副交感神経が優位になってよい眠りを得ることができます。だから、眠る前のスマホは目に強い光を入れてしまうので良くないことが分かりますよね。

夜の睡眠に向かって、ぬるめのお風呂を楽しみ、様々な刺激の強いものを遠ざけて過ごすのが理想。
意識的にゆっくりとした呼吸をするのはとてもおすすめです。これなら短時間で、いつでもどこでも意識的に行うことができるため、簡単な 呼吸法の種類や目的とコツ をマスターしておくと何かと便利です。

2.成長ホルモン

毛細血管を修復するのは成長ホルモンです。よく、睡眠中に出ると言われるアレ。
調べてみると、7割近くが睡眠中に出るんですって!

成長ホルモンは “身長を伸ばすホルモン” としてよく知られていますが、大人になってからは体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働き、代謝を行っています。

かつて成長ホルモンの分泌は時間が決まっているような話もよく聞きましたが、成長ホルモンは寝る時間や概日リズムに影響を受けているわけではなく、睡眠時には必ず分泌されます。その分泌のピークは、眠ってから3時間。この間に痛んだ細胞を修復するための成長ホルモンが出て、その後、毛細血管が全身にせっせと運びます。

これは質量ともによい睡眠を心がけなくては、と改めて思いますね。

3.メラトニン

メラトニンは眠りを誘うホルモンで最近は有名ですが、そのほかに抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲労をとってくれることでも知られます。
病気の予防や老化防止など、様々な働きが。

血管や細胞は常に酸化にさらされていますが、「老化は酸化」というくらい体に影響を与えます。
血液中のコレステロールが酸化すると毛細血管を詰まらせてしまうため、働きが悪くなってしまいます。これに対抗するのがメラトニン。

メラトニンが分泌されるのは、朝日を浴びて14~16時間後で、その数時間後に最大になります。

体の酸化については下の記事にまとめています。

出典・参考文献:「毛細血管」は増やすが勝ち! 根来秀行、VOGUE JAPAN 2017年7月号

葉月 敬子

▪ AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー ▪ JAMHA メディカルハーブコーディネーター ▪ AEAJ認定 環境カオリスタ ▪ 社団法人 日本アロマ環...

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