フラーレンとは?美容効果や安全性、6つの種類と特徴

フラーレンの魅力
美容成分

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フラーレンの虜になってしまったワタクシ、改めてその魅力について網羅的にまとめたくなりました。

フラーレンは成分自体が非常に高価なこともあり、ロゴマークが表示された化粧品に出会うことはほとんどありません。広告宣伝に大きな費用をかける大手のほうが手を伸ばしにくいという話も耳にします。これは本当にもったいない!

先日ご紹介した君島十和子さんの「フェリーチェ トワコ コスメ」を使用しながら意識的に肌を見つめていると、日に日に変わる自分の肌を目の当たりにしました。今後もずっと使い続けると思う。

フラーレンを化粧品原料として製造販売する世界で唯一のメーカーは日本にあります。それは三菱商事の子会社の「ビタミンC60バイオリサーチ株式会社」。このページは、ビタミンC60バイオリサーチ社の資料や情報を参考に詳しくまとめます。

フラーレンとは

フラーレンの構造

フラーレンの構造

フラーレンとは高い抗酸化力を持つ成分で、肌の老化に影響を与える酸化を防ぐことによりエイジングケアが期待できます。さらに美白効果、シワ改善、ニキビ改善、保湿、毛穴引き締め、赤み改善、たるみ改善、ヘアケア・スカルプケアなど、様々な美容効果が報告されています。

それぞれの美容効果についてはいくつもの実験が行われ、安全性もチェックされています。


フラーレンは「炭素」のみがサッカーボル状に構成された分子で、グラファイト、ダイヤモンドに次ぐ、第3の炭素同素体として注目を集めました。

1985年、米ライス大学と英サセックス大学が共同でフラーレンを発見。
1996年、発見者がノーベル化学賞を受賞。

ところが、高い抗酸化力を持っていることが分かったものの、水に溶けない性質を持っているため応用が難しい成分でした。しかし「ビタミンC60バイオリサーチ株式会社」が水溶性のフラーレンの開発に成功!

2005年から化粧品原料として販売されるようになりました。
この水溶性フラーレンは「ラジカルスポンジ®」と呼ばれ、化粧水への配合が可能に。

2009年には、フラーレンにスクワランを混ぜ合わせることにより油溶性フラーレンの「リポフラーレン®」が開発され、乳液やクリームなどの化粧品にも配合できるようになったのです。

最も大きな特長は、強い抗酸化作用

フラーレン 高い抗酸化力

フラーレンの最も大きな特長は抗酸化力。
それは様々な実験で確認されており、抗酸化力は「ビタミンCの172倍」という試験結果もあります。

さらにフラーレンが代表的な活性酸素(脂質ラジカル、過酸化水素、スーパーオキシドラジカル)に対して万遍なく効果を発揮することも確認されています。

「ビタミンC誘導体」「ビタミンE」より高い抗酸化力

これまでの化粧品で使われてきた抗酸化成分として代表的なものの中に、ビタミンC誘導体、ビタミンEがありますが、これらとの比較では、脂質ラジカル、過酸化水素、スーパーオキシドラジカルの全てでフラーレンが最も高い抗酸化を示しました。特に紫外線によって発生する活性酸素に対して高い抗酸化力を発揮することが確認されています。

抗酸化作用が長く続く

持続的細胞死防御効果

持続的細胞死防御効果

素晴らしいのは抗酸化力だけではありません。酸化を防ぐ力に高い持続力があることも分かっています。

ビタミンC60バイオリサーチ社によると、細胞に脂質ラジカルを発生させるtert-ブチルヒドロペルオキシドを添加したものを放置した結果11時間後には細胞死が起こりましたが、細胞にフラーレンを添加した場合には11時間後も細胞死が抑制されていました。

ビタミンC誘導体、ビタミンEを添加したケースと比較しても、フラーレンのほうが細胞の生存率が高かったことが確認されています。

朝と夜使用すれば、ほぼ1日中抗酸化力を持続させることになりますから、非常に優れた心強い成分です。

期待できる効果

フラーレンの美容効果の特長は、その高いアンチエイジング力。これはフラーレンの強力な抗酸化力によるもので、この抗酸化性能によって様々な美容効果が期待できます。

美白効果

メラニンの生成を抑えるだけでなく、肌のトーンが1か月で明るくなる。

シミの主な原因は活性酸素と言われています。活性酸素は、大量に発生してしまうとシミの素となるメラニンを活性化させ、シミを作り出してしまいます。

フラーレン メラニン産生が抑制

メラニンの産生が抑制されている。

これはフラーレンを添加したものとしていないもの。紫外線を照射してみると、フラーレンを添加したものはメラニンの産生が抑制されているのが分かります。

出典:県立広島大学村上美緒,前田憲寿:Cosme Tech Japan, 3(2), 90-91 (2012)

フラーレン メラニンインデックスが有意に低減

メラニンインデックスが低減し、美白効果が確認された。

左腕上腕内側にUVA+B 波を1.5MED照射して人工的にシミを作成し、水溶性フラーレンRadical Spongeを1%配合したクリームを朝晩2回塗ったらメラニンが減少しました。

出典:村上美緒,前田憲寿:Cosme Tech Japan, 3(2), 90-91 (2012)

フラーレン すメラニンインデックスが低下し美白効果が確認

肌の色を表すメラニンインデックスが低下し、美白効果が確認された。

上のグラフは、18名の女性に水溶性フラーレンRadical Spongeを1%配合した美容ジェルを毎日朝晩2回、顔全体に塗ってもらい、使用前、4週間後、8週間後に頬の色を観察したもの。1か月で大きくメラニンが減り、2か月でさらに肌の色が明るくなっていることが分かります。

シワ改善

2か月でシワを改善。シワ予防にもなる。

シワは「紫外線」と「肌の乾燥」によって引き起こされるといわれます。
肌は紫外線を受けると、シワの原因となる活性酸素を多く発生させますが、フラーレンの抗酸化力が活性酸素を取り除き、シワの発生を予防することが期待できます。
さらにフラーレンには保湿力もあるため、シワの原因となる乾燥も防ぐことができます。

フラーレン シワ面積率が低下

シワ面積率が低下した。

油溶性フラーレン1%LipoFullerene®配合のクリームを塗った部位のほうが、無配合クリームを塗った部位に比べてシワ面積率が下がっていることが確認されました。上のピンクのラインがフラーレン入りクリームの結果です。

ニキビ改善

2か月でニキビが改善

ニキビの原因の一つにも活性酸素があります。活性酸素を除去するフラーレンには、ニキビ予防の効果が期待できます。

このページでは個人の感想を控えて簡潔にまとめようと思っていますが、一言だけ。わたしの大人ニキビには顕著に効果が出ます。「ニキビできたな」と思っても、すぐに萎んで枯れていく。これは個人の感想にすぎませんが、これまでなかったことです。

保湿

皮膚のバリア機能を改善することで、肌本来が持つ水分保持力を高める

肌にとって、非常に大切な保湿。肌の角層を整えることによって、肌の内側に水分をしっかりと保持することができます。
フラーレンには、肌の角層を整え、肌のバリア機能を改善することにより、肌の保湿力を高める効果があります。

目立ち毛穴の改善

毛穴が目立たなくなる

毛穴が目立つ原因として「過剰な皮脂分泌や皮脂の酸化、毛穴の周囲の角質の異常、炎症による黒ずみ」などがありますが、これらの原因は紫外線等から発生する活性酸素によって引き起こされています。

そんな毛穴の悩みも、フラーレンの抗酸化力によって改善されます。

フラーレン 目立ち毛穴改善

目立ち毛穴が改善された。

水溶性フラーレンRadical Sponge®1%配合ローションを洗顔後、顔全体に朝と夜の2回、2ヶ月間、10名の女性(平均年齢46歳)に試していただき、VISIAという機械を使って試験開始前と2ヶ月後の目立ち毛穴の数を測定したところ、目立ち毛穴の量が20%も改善されることが分かりました。また、試験に参加した80%の方々の目立ち毛穴が改善されました。

別の実験では、毛穴だけでなく、キメや赤みも改善されていることも分かっています。

赤み改善

2か月で肌の赤みが改善します。

皮膚の赤みの原因は様々ですが、赤みは炎症の症状のひとつです。炎症の原因には活性酸素の存在が関係するため、活性酸素を除去するフラーレンは赤み改善の働きがあり、さまざまな実験結果でも効果があることが分かっています。

フラーレン 顔の赤みの改善

顔の赤みが改善した。

このグラフは水溶性フラーレンRadicalSpongeを1%配合したジェルを朝晩2回、顔全体に塗布。その結果、8週目には赤みを示すヘモグロビンインデックスの値が低下し、顔の赤みがフラーレンによって改善されることが確認されました。

他の実験では、角層剥離や美容レーザー照射による赤みに対しても、赤み改善の結果が出ています。

たるみ改善

フラーレン たるみ改善

目の下および下頬でたるみが改善し、ひきしめ効果が確認された。

これは、モイストフラーレン1%配合美容液を顔の半分にのみ、朝・晩のスキンケアに追加し28日間塗布した実験です。
目の下及び下頬でたるみが改善し、ひきしめ効果が確認されました。

ヘアケア・スカルプケア

頭皮を健康に保ちます。

フラーレンは、毛成長速度が6か月後には16%早くなるという実験結果が出ています。

このことはまつ毛にも応用できます。まつ毛を長くするためには、まつ毛の成長期の期間に成長速度を速めることが必要と言われていますが、フラーレンの毛成長促進効果を活用したまつ毛美容液が製品化されています。

副作用・安全性・毒性の有無、敏感肌への使用について

これだけ美容効果が確認されると、エイジングケアに関心がある世代としては嬉しい限りですが、次に気になるのは安全性ですよね。

副作用・安全性・毒性等の報告はない

フラーレンは、様々な安全性の試験が行われています。

試験方法は、いずれもガイドラインに沿ったものでOECDなどに準拠し、食べた場合、目に入った場合、皮膚に塗った場合、アレルギーの原因にならないかなど様々な観点から試験されました。

これらの試験の結果、いずれも毒性はみられずフラーレンの安全性が確認されています。

また、販売から10年以上過ぎた現在も副作用・安全性・毒性等の報告はありません。

敏感肌でも安心して使用できる

敏感肌の人を対象にしたスティンギングテストも実施されています。

その結果、「RadicalSponge」や「LipoFullerene」で刺激を感じる人はおらず、敏感肌の人でも安心して使用できることが分かりました。

フラーレンの種類とロゴマーク

フラーレンは現在6種類。

ビタミンC60バイオリサーチ社の検査に合格しフラーレンを規定値(1%)以上配合した製品のみ、それぞれのロゴマークを表示することができます。

化粧品のフラーレン濃度
フラーレンを規定量(1%)以上配合している化粧品のみ、ロゴを表示することが許されます。
1.Radical Sponge:ラジカルスポンジ® (水溶性フラーレン)

フラーレン Radical Sponge ラジカルスポンジ全く水に溶けないフラーレンを水溶性にすることに成功した、初めての化粧品原料。

ラジカルとは活性酸素を指しており、活性酸素をスポンジのように吸収するためラジカルスポンジと命名されました。

推奨配合濃度は1~5%。

2.LipoFullerene:リポフラーレン® (油溶性フラーレン)

LipoFullerene リポフラーレン®ラジカルスポンジ®の次に開発された油に溶けやすい性質を持つフラーレンです。

植物性スクワランにフラーレンを添加することで油溶性のリポフラーレンが誕生しました。

美容液、乳液、保湿クリーム・オイルに配合されます。

推奨配合濃度は1~5%。

3.Moist Fullerene:モイストフラーレン® (リポソーム化用フラーレン)

フラーレン Moist Fullerene モイストフラーレン®モイストフラーレンは2015年に開発され、これまでのものよりも保湿機能と浸透性が高まりました。

肌の角質細胞内に存在する、水分保湿に極めて優れた天然保湿因子NMFを発現させる機能が従来のフラーレンよりも高いことが角質層での検証において示されました。

またフラーレンをヒトの細胞の細胞膜と同じ構造を持つ人工カプセルの中に入れてリポソーム化することで、水にも油にも溶ける両親媒性となり、肌なじみがよく浸透力が高まっています。

推奨配合濃度は1~5%。

4.Veil Fullerene:ヴェールフラーレン® (パウダータイプフラーレン)

Veil Fullerene ヴェールフラーレン®フラーレンに無水ケイ酸を含浸させ、パウダー状にしたフラーレンです。

皮膚の外側で抗酸化力を発揮し、紫外線の予防やその他の刺激に対するバリアとしての用途で開発されました。

推奨配合濃度は1~5%。

5.Sun Guard Fullerene A:サンガードフラーレン® A (サンケア用フラーレン)

Sun Guard Fullerene A サンガードフラーレン® Aヘアケア専用のフラーレンで、紫外線吸収力が上がり赤みを軽減する働きがあります。

推奨配合濃度は1%。

6.Hair Shiny Fullerene:ヘアシャイニーフラーレン® (ヘアケア専用フラーレン)

Hair Shiny Fullerene ヘアシャイニーフラーレン®ヘアケア専用のフラーレンで、フラーレンによる保護効果とγ-ドコサラクトンによる補修効果をあわせもっています。髪に浸透して内側から抗酸化力を発揮し、紫外線から髪を守り、キューティクルを保護します。

推奨配合濃度は1~5%。

Fullavie®:フラヴィ

フラヴィは2012年に発売されました。モイストフラーレン®の前身です。

推奨配合濃度は2~5%。

その他

ラジカルスポンジリポフラーレン
他にもラジカルスポンジ®とリポフラーレン®の両方が配合されていることを示す「ラジカルスポンジリポフラーレン」というロゴマークもあります。

フラーレンの種類別浸透度と使用目的

フラーレン 種類別 浸透度 使用部位この図は、フラーレンの種類別で浸透度や使用部位、使用方法などがまとめられています。

フラーレンに限らず、浸透できるのは角質層まで。表皮層の上部にはタイトジャクションというバリアがあり、イオン導入や超音波導入でこのバリアを一瞬こじ開けて成分を押し込まない限り表皮層深部や真皮層には届きません。

浸透せず皮膚表面部で機能するのは、パウダー状のヴェールフラーレン®と、日焼け止めクリームやファンデーションに配合されるサンガードフラーレン® Aです。

次に、角質層内上部に浸透するのはラジカルスポンジ®とリポフラーレン®です。角質層に浸透して活性酸素の除去、メラニン生成の抑制、層内の保湿、毛穴周辺の黒ずみの抑制の働きをします。

最も浸透するのはモイストフラーレン®です。水にも油にも溶ける両親媒という性質から、最も深く浸透させることができます。

肌表面から深く浸透するものまで、フラーレンは用途に応じて使い分けることができます。

出典:ビタミン C60 バイオリサーチ株式会社

葉月 敬子

▪ AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー ▪ JAMHA メディカルハーブコーディネーター ▪ AEAJ認定 環境カオリスタ ▪ 社団法人 日本アロマ環...

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