プラセンタとは?プラセンタの効果や成分と選び方、3つの摂取方法
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プラセンタは、美容界、とりわけアンチエイジングなどの分野で注目度も人気も上がる一方。そのため、プラセンタ関連の美容商品が次々登場しています。
それもそのはず、プラセンタが含んでいる栄養成分は非常に豊富で、なかなか他で補うことはできない優れた成分も含まれています。
様々な効果を発揮すると言われるプラセンタ。
このページでは、プラセンタの成分や効果などを詳しくまとめたいと思います。
プラセンタとは
プラセンタとは「胎盤(placenta)」のことです。そして胎盤とは、女性が妊娠したとき赤ちゃんに栄養や酸素を送るために作られる器官。
胎盤は出産のとき体の外に排出されるので、胎盤からエキスを抽出して、注射などの医薬品・サプリ・化粧品などに使用されています。
最近急に注目されたようにも見えるプラセンタですが、実はその歴史は古く、古代エジプトの女王クレオパトラの時代までさかのぼり、クレオパトラは若さを保つために愛用していたと伝えられています。また中国では、秦の始皇帝のときに不老長寿の秘薬として重宝されたという記録が残っており、その後、紫河車(しかしゃ)という漢方薬として活用されてきました。
一般的には、胎盤から栄養素などの成分を抽出した胎盤エキスのことを「プラセンタ」と呼んでいます。
プラセンタの成分
母体と胎児を繋いで栄養を送る重要な器官となる胎盤には、胎児の生育に必要な栄養素が豊富に含まれています。哺乳類は出産後に胎盤を食べますが、これは豊富な栄養を摂取し体力の回復を促していると考えられます。
アミノ酸、タンパク質・脂質・糖質、生理活性成分であるビタミン・ミネラル・核酸・酵素など、まさに生命の源となる栄養素がぎっしり!
ここでまず、それぞれの栄養素についてご説明しましょう。
アミノ酸
アミノ酸はタンパク質のもとであり、身体の細胞をつくる源。
プラセンタには、ロイシン・リジン・バリン・スレオニン・イソロイシンなどの必須アミノ酸を含む10種類以上のアミノ酸が含まれています。
肌においては表皮の角質細胞内にあり、肌のうるおいを保つ「NMF(天然保湿因子)」の主成分になっています。
また、真皮の中にある「コラーゲン」もアミノ酸からできています。コラーゲンは、肌の弾力に関わる大切な組織を構成していますよね。
さらに、ターンオーバー(新陳代謝)の乱れはアミノ酸不足によっても起こります。ターンオーバー乱れると、肌の生まれ変わりを阻害し古い角質が溜まってシミやくすみの原因になります。
アミノ酸は食品を通しても得られますが、構成が複雑で吸収率があまり高くありません。そのため、吸収されずに体外へ排出されてしまうことが多いのが難点。
一方、プラセンタから得られるアミノ酸は単体で構成され、吸収率が高いのが特徴です。
タンパク質
タンパク質は、炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。
人間の血液、筋肉や臓器、体内の調整に役立つホルモン、エネルギー源にもなる大切な栄養素。主に、先に述べたアミノ酸によって構成されています。
プラセンタに含まれるタンパク質には、「成長因子(グロスファクター)」と呼ばれる特別なものがあります。
胎児の成長スピードはとても速いですが、これは成長因子の働きによるもの。成長因子が細胞の分裂・増殖・再生を促進し、新陳代謝を促しているのです。
成長因子は自然治癒力にも関り、アンチエイジングにも有効に作用すると報告されていますが、食事ではなかなか摂ることができません。
糖質
プラセンタには、グルコース・ガラクトース・ショ糖などの糖質が含まれています。
ご存知の通り、糖質は人間のエネルギー源になります。糖質が不足すると脳の働きが鈍ってしまうことも有名ですよね。
細胞の健全な働きを維持するために、欠かすことのできない成分です。
生理活性物質
生理活性物質とは、微量で全身の働きを活発にし、正常に保つよう調整する成分です。
プラセンタに含まれる生理活性物質は、主に次のとおり。
ビタミン
プラセンタに含まれるビタミンには、B1・B2・B6・B12・C・D・E・ナイアシンなどがあります。
ビタミンは、身体が健全に成長し、健康を維持する働きをしています。さまざまな生理機能を調整して代謝をスムーズにします。
美容においては皮膚や粘膜を健康に保つB2・B6、血行を促進して肌細胞を活性化するナイアシンは重要なビタミン。
ビタミンには、老化の原因となる「活性酸素」を抑制する働きもあります。
活性酵素は、体内に取り込んだ酸素の一部が変化したもので、細胞を酸化させます。
そして、活性酸素が過剰に発生すると、シミやシワ、たるみの原因にもなってしまうので、ビタミンの抗酸化力は積極的に利用したい成分。
プラセンタに含まれるビタミンの中では、ビタミンC・Eに活性酸素の過剰発生を抑制する抗酸化作用があります。
またビタミンBには、コレステロールや中性脂肪といった脂質が活性酸素によって酸化された「過酸化脂質」を減らす働きがあります。
ミネラル
プラセンタに含まれるミネラルには、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・リン・亜鉛・鉄などがあります。
血液と体液の調整や肌機能を回復させるなど、さまざまな作用があります。お肌の老化を防ぐ「抗酸化作用」もあります。
核酸
プラセンタには、DNA(デオキシリボ核酸)・RNA(リボ核酸)の核酸が含まれています。
DNA(デオキシリボ核酸)は主に細胞の核の中にあり、遺伝子の本体として働いています。
そしてRNA(リボ核酸)は、DNAの情報に基づいてタンパク質を合成する働きがあります。
これらの核酸は、遺伝子の修復や新陳代謝の調整などを行うことで知られ、エイジングケアに作用する栄養素として非常に注目されています。
酵素
プラセンタに含まれる酵素には、ALP(アルカリホスファターゼ)・ACP(酸性ホスファターゼ)・ATP(アデノシン三リン酸)・SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)・SA(スーパーアクティブアミノ酸)・ヒアルロニターゼなどがあります。
消化・吸収に関わる「消化酵素」、生命活動に関わる「代謝酵素」、「SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)」や、「スーパーアクティブアミノ酸(SAアミノ酸)」が含まれています。
「SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)」とは、活性酵素を消去する成分。
体内で生産される酵素のなかでもっとも抗酸化作用の強い成分で、年齢とともに減少することが知られています。
「スーパーアクティブアミノ酸(SAアミノ酸)」とは、活性酸素を除去する作用に加えて過酸化脂質が出来るのを防ぎ、出来てしまった過酸化脂質を除去する作用があります。
「スーパーアクティブアミノ酸(SAアミノ酸)」を肌に塗布した場合、コラーゲン産生促進効果や真皮を厚くする効果、活性酸素による肌老化の促進を予防する効果があります。
活性ペプチド・ムコ多糖体など
プラセンタには他にも、「活性ペプチド」や、「ムコ多糖体(コンドロイチンやヒアルロン酸など)」も含まれています。
「活性ペプチド」とは、消炎作用・代謝活性作用・抗酸化力があることで知られる成分。
「ムコ多糖体(コンドロイチン・ヒアルロン酸・ヘパラン硫酸など)」とは、細胞の周りで水分を蓄えている物質で、この水分から細胞に栄養を運んだり、細胞から老廃物を取り出したりする重要な役割を担っています。
新陳代謝を促す「成長因子」
上記の「たんぱく質」のところでも記載しましたが、成長因子とは、細胞の分裂・増殖・再生を促進し、新陳代謝を促す物質のことです。
これは、体の内部のみならず、お肌にも大きな影響を与える成分。
さらに、IGF(インスリン様成長因子)・IL-1(インターロイキン-1)・IL-2(インターロイキン-2)など、免疫力を向上させる成長因子も含まれています。
プラセンタを活用・摂取する3つの方法
さて、スゴイ成分が沢山含まれていることは分かりましたが、この成分を活かすためにはどのような方法があるでしょうか。
プラセンタの摂取方法には、主に「1.プラセンタサプリメント(経口摂取)」「2.注射」「3.プラセンタコスメ(化粧品による皮膚への塗布)」の3つがあります。
1.プラセンタサプリメント
サプリメントは、プラセンタを体の内側から取り入れ効果を発揮させる最も簡単な方法です。
プラセンタサプリメントの選び方
プラセンタのサプリメントには、馬プラセンタ・豚プラセンタ・羊プラセンタ、そして厳密にはプラセンタではありませんが、植物性プラセンタも販売されています。
まずこれらの種類の大きな違いとして、植物性プラセンタには「成長因子」が含まれません。
プラセンタの魅力は「成長因子」に依るところも大きいので、これが一つの選択の方法になるかもしれません。
また、馬プラセンタには、豚プラセンタの数百倍のアミノ酸が含まれており、豚プラセンタには存在しない成分も確認されているそうです。
品質に大きく関わる抽出方法や、配合量などをしっかりチェックして選びましょう。
2.プラセンタ注射
プラセンタ注射は、プラセンタの効果が最も得られやすい方法です。
医療の分野では、既に病気の治療や更年期障害などに利用されており、保険も適用されています。美容分野では保険は適用されませんが、高い人気があります。
しかし注意点として、プラセンタ注射をすると献血ができなくなります。
なぜならヒトの胎盤を原料としているため、ヒトからヒトに感染する病気の可能性を完全に否定できないからです。ちなみに現在のところプラセンタ注射による感染は一度も報告されていません。
クリニックを慎重に選び、リスクを考慮の上で判断しましょう。
プラセンタ注射の選び方
プラセンタ注射には、抽出法によって2種類あります。
ひとつは「メスルモン」と呼ばれ、医療ではホルモンバランスの乱れを整えたり、更年期障害の改善や乳汁分泌不全などに使われています。
もうひとつの「ラエンネック」は、医療では肝機能改善剤として使用されます。こちらは皮下注射だけでなく、筋肉注射もあります。
しかし美容上の効果としては大きな差はないと言われています。
3.プラセンタ化粧品
プラセンタの化粧品分野での人気は、年々高まっていることを感じます。次々に新たな商品が販売されていることを見ても、その人気を物語っていると言えるでしょう。
プラセンタ化粧品の選び方
プラセンタ化粧品には、主に化粧水や美容液やクリームなどがあり、ファンデーションに配合されているものもあります。
栄養価の高いプラセンタは肌に塗っても効果があります。
肌には、新陳代謝を促すEGF(上皮細胞増殖因子)や、コラーゲンをつくる線維芽細胞を活性化するFGF(線維芽細胞増殖因子)などの成長因子がありますので、サプリメントと同様「成長因子」が配合されているかどうかが一つの選び方のポイントになります。
これらの「成長因子」は、植物性プラセンタには含まれてていません。
プラセンタ化粧品の主な働きとして、美白や保湿、アンチエイジング効果があるとされています。サプリメントと同様、品質に大きく関わる抽出方法や、濃度などをしっかりチェックして選びましょう。
下のリンクは、プラセンタエキスを化粧品として肌に使用した場合の効果や副作用などについて、さらに詳しく解説しています。
さらに下の記事では、プラセンタエキスを発酵させることにより各種成分が増加したことを示す興味深いデータがありましたので、実際に使用してレビューしています。
プラセンタの効果
日本では、1950年代から医療の分野でプラセンタ薬が使用されるようになりました。
最近は、プラセンタの美容効果が注目を集めています。
プラセンタの主な効果を一覧にしました。以下の通りです。
活性酸素を除去する。 |
新陳代謝を活発にする。 |
組織修復作用がある。 |
臓器や細胞の働きを活性化させる。 |
抗炎症作用がある。 |
自律神経、ホルモンバランスを調整する。 |
治癒力を高める。 |
抗アレルギー作用がある。 |
非常に魅力的な成分を含むプラセンタ。プラセンタが必要な場合は、自分に合う方法と信頼できる品質のものを選び、継続して摂取してみましょう。